Ｄ５１９１は、１９３８（昭和１３）年、汽車製造大阪工場で誕生し、上諏訪機関区－甲府機関区－大宮機関区－田端機関区－尾久機関区－八王子と関東一円で活躍したのち関西に移動し、吹田機関区-亀山機関区―竜華機関区と働きの場を移し、竜華機関区で廃車となりました。１冊目は戦災で消失していますので、廃車までの貴重な記録を見ることができる９１号機唯一の履歴簿となります。関西の巨大機関区で、大型機関車の牙城だった吹田機関区長や今も現代に当時の優雅な世界を見せ続けてくれている梅小路機関区長の貴重な書類も綴じられています。履歴簿は１機に１冊しかないので、４枚あるプレートより貴重です。そもそも履歴簿自体、ほとんどが焼却処分されていますので絶対数が少ないですし、このことは毎号、蒸気機関車の履歴簿を取り上げている雑誌が、当初は民間人から提供を受けていたものが、今は博物館から提供を受けていることでも品薄であることは証明されています。１０００両以上いた兄弟の中の９１番目として誕生した全兄弟の中で、１割以下の存在だったナメクジの履歴簿は、さらに貴重であることを申し添えておきます。なお、現役時代の写真は、当時の姿を知らない方のために添付したもので、出品商品ではありません。